秋の声がすると、
ようやく暑かった夏も終わり、
大きな月が綺麗に見える季節になります。
「十五夜」という言葉がありますが、
聞いたことがあるのではないでしょうか?
今回はその「十五夜」についてのお話をしてみましょう。
十五夜の月見団子。その由来と正しい積み方や供え方は?
十五夜とは満月の夜のことを指します。
(旧暦8月15日夜)
新月から数えて十五日目が満月になります。
ただし1~2日ずれる時もありますが、
ほぼ十五日目が満月になります。
この「十五日目」の満月を「十五夜」と呼びます。
「中秋の名月」とも呼ばれています。
旧暦の8月15日は毎年かわります。
旧暦とは耳慣れない言葉ですが、ちょっと紹介。
旧暦は月の満ち欠けをもとに作られています。
現在は太陽を基準とした「新暦」になっています。
旧暦と新暦の間では関連がないのです。
十五夜は毎年変わる理由はここにあります。
実はお月見は中国から伝わってきた月を愛でる行事です。
平安時代には
貴族社会で趣向を凝らしたお月見の宴を
楽しんでいましたが、
江戸時代のころに
「豊作と収穫に感謝をする」という事で
一般的に広まりました。
現代では
どこのご家庭でも楽しめる行事ですね。
十五夜には「月見団子」がかかせません。
その月見団子のお話です。
十五夜の月見団子は
積み方や備え方があります。
・十五個の丸いお団子を用意します。
一段目 3個を3列=9個
二段目 2個を2列=4個
一番上に2個
という順番で積んでください。
では、備え方は?
「三方」(さんぽう)という器に
白い紙を敷いて備えます。
三方は神事の時に使う器ですが、
なかなか一般家庭にはないものです。
ない場合はお皿やお盆を使ってお供えをしてください。
台に敷く白い紙は「半紙」を用意しましょう。
(100均にも売っています)
紙の敷き方は、
正方形の紙の角を
三方の角に対し
45度ずらして端を垂らして敷く、
もしくは正方形の紙を対角に敷くのが一般的です。
出来上がりましたら、
床の間、もしくはお月様が見えるところに
お供えしましょう。
窓際やリビングでもOKです。
十五夜に団子をお供えするその意味と一緒に供えるものは?
十五夜は
「豊穣祈願」「収穫への感謝」をする意味があります。
そのため、
その昔は秋の収穫物である里芋を
お供えしていました。
まだお米が主食ではない、
芋が主食の時代でした。
十五夜の別名は
芋名月(いもめいげつ)とも呼ばれています。
現在は変化し、
その里芋をお団子に見立ててお供えするのが
一般的になっています。
そして、丸いお団子は満月を表しています。
健康や幸せを祈る意味合いがあります。
お団子と共にお供えするものは、
まず「すすき」です。
十五夜はその年の豊穣を神様に感謝し、
捧げるものという事から来ています。
本来は稲穂ですが、
稲穂に似たすすきで代用しましょう。
また魔除けの意味ということで
すすきが使われています
すすきの本数に
決まりや作法はありませんが、
1本では寂しいということで
複数立てることもあります。
複数本 選ぶ場合は、
3~5本くらいが手頃です。
お供えしたすすきを
十五夜のあとに
軒先につるしておくと、
その年は無病息災で過ごせるとも言われています。
他には
秋の収穫物である果物や野菜
(栗、柿、ブドウ、大根など)、
そして水やお酒などもお供えします。
秋の七草の中の植物、
萩や ききょう、おみなえしなども飾りましょう。
コスモスや われもこうも
一緒に飾るとより華やかになります。
このお供え物はみんなで分けて食べましょう!
作る数も決まっている!?十五夜の団子の正しい作り方
十五夜には、「十五」の数字にちなんで
15個お供えします。
また、
1年の満月の数にあわせて12個
(うるう年には13個)
という数え方もあります。
せっかくの十五夜です。
手作りのお団子を作りましょう。
お子さんやお友達と一緒に
作って楽しんではいかがでしょうか?
ここでは団子粉を使います。
団子粉はうるち米・もち米で出来ていて、
コシが強めのだんごになります。
柔らかくなりすぎないので
弾力のあるいいお団子ができます。
材料(約40個)
・団子粉 200g
・水 140CC
・団子粉と水をボウルに入れます。
耳たぶくらいの硬さになるまで混ぜてください。
・お好みの大きさに丸めます
・鍋に水を入れ沸騰させます。
できたお団子を入れ、2~3分ゆでます。
・冷水(氷を入れても可)に入れ、
水気がとれたら出来上がりです
お供えした後は
みたらし団子でいただくのはいかがでしょうか?
お醤油の味が香ばしいタレは
誰もが好む昔からある味です。
みたらし団子のタレ
材料
・醤油 大さじ3
・みりん 大さじ5
・砂糖 大さじ5
・片栗粉 大さじ1
・水 100 CC
1.材料全てを鍋にいれて、
木べらなどで焦げ付かないようにぐるぐる混ぜながら
弱火で火にかけます。
2.沸騰したら、2分ほど混ぜます。
お好みの硬さにしてください。
出来たタレが硬い場合は水を入れて、
逆にもっと硬くしたい場合は片栗粉を
水で溶いて入れてください。
まとめ
普段はなかなか月をゆっくりと見る機会なども
ないのではないでしょうか?
夏の暑さも引き、涼しくなり、
月をみるのには絶好の季節です。
十五夜、お団子やすすきなど お供えして、
秋の澄んだ空気の中
お月見を楽しんでみてはいかがでしょうか?
是非、秋の夜長をご賞味ください
風流のある、素敵な十五夜になりますね。